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太巻きに魅せられて

2009年08月06日

kyoto

京都でおばんざいやさんに行った。

着いたのは閉店1時間前で、
店内にはオトナの常連さん2組しか残っていなかった。

おひとりさまの私は、食事を平らげた後、
常連さんたち(K夫妻とH氏)のお心づかいでど真ん中の席へ移動。
京都散歩術、お仕事でのご経験、様々な出会い、将来の夢──
いろいろなお話を伺ううちに、あっという間に閉店時間になった。

「うちの店は、まだここからなの」と奥さん。
この前は朝方までいらっしゃった方があったのよ、と言いながら、
即席ピザや、ご主人が試しに作ったスナックなどを勧めてくださる。

それと一緒に供されたのが、
常連客H氏が持ってきたという太巻きだった。

飲み食いさせてもらうから、
ひとつ、おいしいものでももってこう──
そんな感覚、そんな関係が、太巻きに表れていた。

さんざんごちそうになって何度もお礼を言う私に、H氏が言った。

「いやいや、いいんですよ。そのかわり!
 京都に来たら、絶対またこのお店に来ること!」

ああ、お店とお客のそういう関係、かっこいい。

「できればまた来たいなぁ」を「絶対にまた来る」に変えるのは、
こうした“人の力”にほかならない。
お店は何十年も前からそこにある。
だけどあの日とまったく同じ日なんて1日もなくて、
それを作るのはやはり人です。

「ここは、なーんだか、ホントに落ち着くんだよね」とH氏。
「その空気はお客さんたちが作ってくれるものですよ」と奥さん。

その空気に包まれながら、その空気に育てられた気がした。
将来自分がオトナになった時は、若人に同じことを言いたいと思った。

人情やおもてなしの心といった目に見えないものは、
人から人へ、こうして脈々と伝えられてきたのでしょう。

miotobi

「ひいらぎ亭」
京都府京都市中京区河原町通り六角東入 六角ビル1F



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