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コロッセオよりも、ドゥオーモよりも…

2013年05月17日

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日経新聞の「春秋」を読んでいて、気になるフレーズが目についた。

【旅の神髄はスーパーにあり】

おおっ、なんだなんだ、オモシロそう。

記事を読み込んでいくうちに、
今年2月に行ったイタリア旅行での出来事を思い出した。


私はこれまで、
インドネシア&フィリピンという
アジア旅しか経験したことがなく、
イタリアは完全に不慣れな土地だった。

いざ、ローマに降り立つと
人がデカイ、建物がゴツイ、地面がカタイ。
一つひとつ有名スポットを廻りつつも、
この土地のサイズ感に全く適合できない自分がいた。

そんな環境からか、日を追うごとに肉体・精神疲労が積み重なり、
毎日ホテルに戻るとすぐ、ぱたりと眠りに落ちていた。

そんな旅の4日目、ローマからフィレンツェへ移動した。

ホテルにチェックインして一息ついた後、
切らしていた水を買うために、ふらっとスーパーに寄ってみた。

駅前通りにある、少しさびれた小さめの食品スーパー。

そこには、
国旗柄のマカロニもなければ、
国土を象ったブーツ型の入れ物もなかった。

おしゃれな土産品の代わりに、
日本でも売っていそうなパックのハムや、
リッツに似たクラッカーなどが並んでいる。

棚に陳列されたそれらをしげしげと見まわしながら、
適当に酒とハムを手に取り、
接客する気がなさそうな店員に小銭を渡したとき

「わたし今、フィレンツェに溶け込んでるかも…」

と、なんともいえない喜びが胸に染みわたった。
これが、やけに嬉しかったのだ。

その日の夜は、ホテルでハムをつまみに一杯やりながら
全く理解できないイタリア語のテレビニュースを母と眺めていた。
すると、インテルの試合がハイライトで流れてきて、長友がゴールを決めた。

母と顔を見合わせて、思わず歓声をあげた。


コロッセオもドゥオーモも良かったけど、
「イタリアに行ってよかったなぁ」と、今しみじみ思えるのは
旅の途中で、ささいな「日常」に触れたからだと思う。



text by 栗本美可子



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