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ミサイル発射を待ちながら

2013年04月25日

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カミさんが、

中学だか高校だかの国語の模試に使える作品を探す、
というバイトを頼まれたんだか、応募したんだか
──で「いい文章はないか」といいます。
そんな事、急に言われてもなぁ、
評論なら養老猛さんか内田樹さんでしょ流行りは、
と返しますと、既に教科書に採用されてるのはダメなんだといって、
預かってきた現国の教科書数冊を見せてくれました。
2冊に採用されていた多木浩二さんの「世界中がハンバーガー」など
知らなかった文章もあり、勉強になります(教科書だし)。

ワタシの好きな吉野弘さんの詩「夕焼け」(ネットで読めます)

はあるかな、と探してみましたが、もうないようです。
既に「夕焼け」にはリアリティがないのかもしれません。
まあ、グローバル時代にこの詩の女の子の心根じゃ
冴えない、割食った人生しか送れないでしょうし、
何事もはっきりとわかりやすく、が今の時代のような気もしますし。
一抹の寂しさは拭えませんが、まあ、そんなもんでしょう。

カミさんが催促するので面倒になり、

こんなんあるよ、と買ったまま未読だった
山田太一さん編のアンソロジー『生きるかなしみ』を推薦(いい加減です)。
と、しばらく後にカミさんが泣いてます。
「なんだよ、いい歳してしょーがねーな」と言いつつ
示された杉山龍丸の「ふたつの悲しみ」を一読。

復員局で問い合わせに来る肉親に対し、

兵士の生死を伝える仕事をしていた時の体験を書いたもので、
小学生の女の子が父親の事を訪ねてくる場面に、
こんな直球で泣かされちゃ、と思いつつも不覚。

この文章を紹介する山田さんの文も、抑制がきいていてなおかつ重い。
「ただ闇雲に戦争なきをよしとする考えのグロテスクを知らないわけではない。
このような肉親との別れは、戦争によらずともあるだろう。
しかし、こうした記録を前にして、なお平然として沈黙を知らぬ人に、
ひかえめにいっても私は嫌悪を抱く。」
こういう感覚をもつ人もたぶん、どんどん少なくなっていくのかと思われます。
忘却や時代の変化、年齢・性別で理解し合えない、しにくくなる。
これも、人間の「生きるかなしみ」だったりするわけで。

moon hill



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