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「寄り道」について

2010年04月08日

rock'n roll

3月22日、喜多川泰さんの講演を聞いた。
これで、この約1年間に4度目となる。
ご本人も、同じ内容の話を避けるべく意識されていたようであるが、
今回の講演でも新たな貴重な発見があった。

なかでも、印象に残った話。
自分なりの解釈を加えた「意訳」になっているかもしれないけれど。


人間というのは、すべてが思い通りにことが運んだら、
同じような経験しかできない。
例えば、世間で一流と言われている高校で学び、
同じく世間で一流と言われている大学に入り、
そして世間で一流と言われている大企業の採用試験を受ける、とする。
そうすると、そこまでに挫折を知らない人というのは、
みんなほぼ同じ経験をしてきている。

いわゆる「成功体験」である。

金太郎飴のように、ほとんどの人間が同じ人間に見えて、
そこには「個性」が見つけにくい。
なぜか──。
人生というのは、思い通りにいかないものだからだ。
そして、思い通りにことが運ばなかった時、
どのような対応をとるかが、その人間の価値を決める。

喜多川さんは、「寄り道」の大切さを強調していた。
思い通りにことが運ばず、思いがけずに寄り道をする。
それまでの自分の中では考えもしなかった、
想定外の「空間」に連れて行かれる。

そこでの経験というのは、他の人たちとは異なるものである。
(とくに、成功体験を積み重ねている人とは決定的に違う)
そして、その経験が、必ず後々生きてくる。
そこでの試行錯誤、悩み、苦しみ、そして喜び
──それらのすべてが、その人の「個性」を形づくる。

永ちゃんがNHKのTV番組「SONGS」の中で、
若者たちの人生相談で話した言葉も、喜多川さんと共通している。

「近道をずーっとしていると、いつか必ず近道が敵になってくる」

この言葉は、かなり心に響いた。
そして、同じ感情を、喜多川さんの話を聴いた時に持つことができた。

人間は目先の出来事に一喜一憂する。
喜怒哀楽を表わす。
そのことは、生きていくうえでとても大切なことだとは思う。
でも、“喜び”だけの「寄り道」のない人生を想像してみると、
とてもつまらないものに見えてくる。

私自身、振り返ってみると、本当にそのことがよくわかる。
そして、何が大切だったのかを考えてみると、
その場面、場面で、誠実に一生懸命取り組むこと、
そのプロセスに違いない。
それさえ忘れずに進んで行ければ、
必ずいつか「寄り道」に感謝できる時がくるだろう。

誰かがブログで書いていた。

 「人間は、自分が成し遂げたこと(努力が伴っていればなおさら)を
  成し遂げられない人に対して、往々にして優しくなれない。
  俺だって努力した、私だってつらかった、
  だからおまえもその辛酸をなめるべきだ、
  そういう性根が少なからずある。
  永ちゃんの発言にはそれがない」

喜多川さんも同じである。
そして、そういう人間になることは、
ひとつの目標になるな、と思う。

Taka



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