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心の表現

2009年07月24日

puerto

7月8日の朝日新聞の「声」に掲載されていた投稿が印象に残った。
73歳の方からのもの。

6月に、脳性まひで町立中学校から入学を断られていた女の子の
仮入学が地裁で決定したことで、30年前のことを思い出した、という。

その頃、車いすが必要な息子さんは、養護学校に通っていた。
小学3年生で公立の普通校に転校しようとしたが、
学校側は、「責任がもてない」と消極的な発言ばかり。

そんななか、1人の女性教師が
「やってみましょう!」と周りを促してくれた。
そして、晴れて転校が決定した。

卒業する時、その教師が言った。
「車いすの君がいたお蔭でクラスの団結力もでき、
 やさしい心が根付きました。ありがとう」

そういう話だった。

「車いすの君」という表現に、こんなふうに
親しみを感じることがあるのだ、と思った。

車いすに限ったことではなくて、
人との違い、それを個性として表現し、
他の誰にもかえられない “ひとり”として、
自分の価値を強く証明してくれる言葉。

家族以外の人からのこうした言葉が、自分への自信とか、
他者への信頼につながっていくのではないかと思う。
その人が一生大切にする言葉にもなり得る。
現に、30年経った今でも親御さんが覚えているのだから。

言葉は、心の表れ。
こういう心が、もっともっと浸透した世の中になればいい。
だから、文章を書く仕事をとおして、
はっとさせられるような、人の心を追いたい。
そして、その心を最高のかたちで表す言葉を追い求めたい。

miotobi

マスターのこと

2009年07月22日

blue

21歳から23歳くらいにかけて、
西新宿のバーで働いていた。

当時60代半ばだったマスターは、
絵に描いたような“破天荒人生”を歩き、

「フランスでロールス運転しながら女を抱いた」

が、いろいろある武勇伝のうちの登場回数のトップで、
近づくといつも「ペルノ」というフランスのリキュールの香りがした。

そして6年前の冬に火事で
あっけなく逝った。

客を選び、
機嫌ひとつでケンカして出禁客リストの数を増やし、
もっと機嫌が悪い日には杖をふりまわして暴れた。

このままこういう仕事していこうかな…と
私は半分くらい本気で思ってた。

酔っ払ったお客さんと話をするのは嫌いじゃなかったし、

それに、
「自分で書かせるのは半年後とか」
と面接で言われることに飽きていた。

お店のお客さんに新聞記者がいて、
あるとき彼と話をしながらマスターが私を振り向き、

「物書きになりたいのがいるって話したのはあいつ。
 いつか俺の伝記書いてもらうんだ。な?」

と言った。

な? と言われて、

反射的に

「うん」

と答えてしまった私は、

その翌日に、ほとんど金髪だった頭をごまかして、
某社の入社試験を受けに行った。

その会社は「書かせるのは半年後」とは言わなかったし、
社長は面接中に、
ほとんどルール違反解答みたいな私の作文を
机の下で読みながらウケていた。

半年後どころか1週間後、
私は山積みの原稿に真っ青になっていた。

いまなら伝記くらい何冊でも書いてあげるのに。

仕事がヒマになると、
ときどきそうやってマスターのことを考えます。

Asa.s

※09年7月現在、マスターの伝記が書ける状況ではありません。。。

商社マンの思い

2009年07月16日

tora

夏の日差しが強くなり始めた、7月初旬。
皆様のご好意から、
商社(現時点で6社)の取材に同行させていただきました。
取材内容は、2011年度の新卒採用について。
入社5年以内で採用担当の方々を相手に、
「なぜ、商社を目指したのか」
「なぜ、現在の会社を選んだのか」
ざっくばらんにインタビューは進んでいきました。

商社の方々に共通していたのは、
学生時代、周りの人を巻き込みながら、
目標達成に向けてチャレンジを繰り返してきたこと。

アメリカンフットボールであったり、
カフェの経営であったり、
アカペラサークルであったりの違いはあるにせよ、
学生時代を悔いなく過ごしてきたことで得たのであろう気概を感じました。

私はこれまで、商社=“個の力”という勝手なイメージをもっていました。
「会社の名前ではなく、自分の名前で仕事ができるようになりたい」
そんな風に考える方が多いと思っていたからです。

ですが実際にお会いしてみると、
皆さん、きちんと組織の方向を向いていました。

入社時、「貧困を少しでもなくしたい」と、
営業としてエネルギー関連のプロジェクトに参加することを希望していた方でも、
「まずは自分の“思い”を共有できる仲間を集めたい」と、
採用の仕事に熱い思いをたぎらせている。

それは、会社の発展の先に、自分の夢があるから。
人を巻き込むことで叶えようとするその夢は、“世界をちょっとでも良くすること”

だから彼らは、組織へ貢献することの重要性ややりがいを、
自分の言葉で語ることができる。

同世代の言葉を、何度も噛み締めた2週間でした。

koji

「分」について

2009年07月14日

boss

歳をとって達観できるようになってからならばいざ知らず、
人間というのは、
自分が正しいと思うことだけをやればいい、
というものではない。

なぜならば、
正しいと思っていることは、
非常に少ない経験の上、
狭い世界の中で成り立っていることが多く、
「幻想」に過ぎない可能性があるからだ。

特に若いうちは、
狭い世界に閉じこもらずに、
積極的に世界を広げていく姿勢が不可欠である。
「縁」を通じて得られたもの、
あまり合理的でないものが、
自分にとって思いのほか大切な役割を演じてくれることは
決して少なくない。

数学のように
正解が限定される世界であれば別かもしれないが、
人生に正解など存在しない。
その意味では、
自分が正しいと思っていることに対して、
常に謙虚である姿勢がきわめて大切になる。

私は神戸出張時にSさんとお会いして、
BARなどで飲み物を注文する際、
たいていSさんと同じものにする。
これは一見、主体性がないようにみえるけど、
Sさんの“世界”を教えていただくことで、
自分の世界が確実に広がる。

例えば、一人で同じBARに行ったら、
おそらく夏であれば1杯目にモヒートあたりをいただき、
そのあとはシングルモルトをロックで頼むだろう。
これは自分が知っている自分の世界。
確かに美味しいし、
予想を裏切られることはない。

でも、せっかくご一緒させていただくのであれば、
Sさんが好まれる“味”を体験させてもらったほうが、
新しい出会いがあるのではないか。
ワイン通のSさんに対して、
マスターがあれこれと考えを巡らして出すワインというのは、
めったに味わえない可能性が高いはずだ。
実際、そうした機会に出会ったワインが気に入り、
あとで個人的に購入したこともある。

自分なりの哲学や信念を持つことはとても大切である。
でも、その過程において、
「他に学ぶ」姿勢を貫くことはもっと大切なことである。
独りよがりの哲学や信念など、誰も相手にしてくれない。

自分なりの哲学や信念は、
意識せず自然に形成されていくものである。
あらゆる世界に対して心を開き、
学ぶ姿勢を繰り返すなかで、
磨かれていくものである。
逆に言えば、分をわきまえ、
素直・謙虚になること──
これらを誠実に重ねていくことを通じてしか、
本当の意味での哲学や信念など生まれようがない。

Taka

異故郷 (いこく) ~神戸~

2009年07月10日

kobe

今年の春、初めて神戸に旅行しました。
早朝に三宮駅に着き、にしむら珈琲店で朝食後、
異人館に向かいながらまず寄ったのが、北野天満神社。

ここにたどり着くまで、ほぼずっと上り坂です。
境内にはさらに階段があり、とにかく上れるところまで上れば、
誰もいない展望台に着く。

手前の小さな公園には梅の花が咲き、
高層ビルに挟まれた直線・大通りの先に、海がある。
鳥居と、高層ビル。神社から見る異人館。
もっと先には、南京町があるのを想像する。
伝統と科学、和と中と洋、
時代も文化もごちゃ混ぜなようだけれども、不思議と、
全部ひっくるめてこそ「今の神戸」という「統一された町」だと感じる。
多文化の共存を追い続けてきたことを誇るかのような眺めでした。

その後訪れた異人館や南京町などには、
自分たちが現在体現している
個々の歴史と文化に対する愛着がにじみ出ていた。

神戸は夜景が美しいということで知られています。
でも、明るい時に少しだけ考えながら景色を眺めて、
実際にたくさん町を歩いて、その中身を確かめておいて
良かった、と思った。
夜、明かりがたくさん灯っている美しさだけではなくて、
光のひとつひとつに、
歴史の重みとありがたみを感じられた気がしました。

何かを知る時、夜景を見るような気分になる時がある。
ひとつの企業だったり、イベントだったり、作品だったり、
全体がキラキラしていて、感動する時がある。
綺麗だな、で終わらせないで、
その光のひとつひとつの正体を明るみに出して、
美しいわけを探り続けたい。

ちなみにおみくじは、大吉。ありがたや。

神戸 2009年春
miotobi

グルメリポート

2009年07月02日

mio

本日はハンバーグ専門店「ゴールドラッシュ」にてランチ。
Westernムード漂う店内には、ハンバーグ通とおぼしきお客さんもちらほら。

2日間かけて煮込んだというデミグラスソースが鉄板の上で弾ける音、
まろやかな中にもスパイスの効いた香り、
150gのハンバーグを多い尽くすほどのとろ~りチェダーチーズ。

約25年前に出店した渋谷の第一号店は、
6ヵ月かけてスタッフと共に一から作り上げた手作りのお店。

自分たちで一から始めたことが、
直球勝負の料理に表れているような気がします。

まん丸としたハンバーグの、程よい弾力を楽しみつつ、
ジューシーな肉汁が口一杯に広がる頃、
店の外には行列が・・・。

鈴木さん、ごちそうさまでした。

koji

http://www.gold-rush.jp/
「ゴールドラッシュ」
住所:東京都新宿区新宿3-35-6アウンビル2F
TEL:03-3351-5658(予約不可)


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