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つわものどもの……

2013年11月25日

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台湾を仕事で再訪。

最終日の自由時間、
「故宮は8時半の開場直後なら空いてる」と聞き、
7時に目覚ましかけるも二度寝し、起きたら8時すぎで断念。
ホテルから近い、大混雑の行天宮で線香(といってもデカい)を手向け、
帰りに書店(村上春樹の垂れ幕、さすが世界レベル)でまず本を購入。
地下鉄で2つ目の駅に朝市があるので足を延ばし、巨大な豚足を買うか迷って断念。

おっ、ホテルへの帰り道にもういっこ市場がある、と

旅先ならではの機動性を発揮。
しかし、たどりついたのは廃墟となったビル。
間口半間~1間ぐらい零細商店が並んでいますが、
すべて閉鎖され、がらんとした中で、1人の中年男が洗面しているのみ。
往時の活況を想像して、台湾の経済成長を実感。
同時に、きれいなビルよりこっちのが好きだ、という自分を確認。

moon hill

コロッセオよりも、ドゥオーモよりも…

2013年05月17日

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日経新聞の「春秋」を読んでいて、気になるフレーズが目についた。

【旅の神髄はスーパーにあり】

おおっ、なんだなんだ、オモシロそう。

記事を読み込んでいくうちに、
今年2月に行ったイタリア旅行での出来事を思い出した。


私はこれまで、
インドネシア&フィリピンという
アジア旅しか経験したことがなく、
イタリアは完全に不慣れな土地だった。

いざ、ローマに降り立つと
人がデカイ、建物がゴツイ、地面がカタイ。
一つひとつ有名スポットを廻りつつも、
この土地のサイズ感に全く適合できない自分がいた。

そんな環境からか、日を追うごとに肉体・精神疲労が積み重なり、
毎日ホテルに戻るとすぐ、ぱたりと眠りに落ちていた。

そんな旅の4日目、ローマからフィレンツェへ移動した。

ホテルにチェックインして一息ついた後、
切らしていた水を買うために、ふらっとスーパーに寄ってみた。

駅前通りにある、少しさびれた小さめの食品スーパー。

そこには、
国旗柄のマカロニもなければ、
国土を象ったブーツ型の入れ物もなかった。

おしゃれな土産品の代わりに、
日本でも売っていそうなパックのハムや、
リッツに似たクラッカーなどが並んでいる。

棚に陳列されたそれらをしげしげと見まわしながら、
適当に酒とハムを手に取り、
接客する気がなさそうな店員に小銭を渡したとき

「わたし今、フィレンツェに溶け込んでるかも…」

と、なんともいえない喜びが胸に染みわたった。
これが、やけに嬉しかったのだ。

その日の夜は、ホテルでハムをつまみに一杯やりながら
全く理解できないイタリア語のテレビニュースを母と眺めていた。
すると、インテルの試合がハイライトで流れてきて、長友がゴールを決めた。

母と顔を見合わせて、思わず歓声をあげた。


コロッセオもドゥオーモも良かったけど、
「イタリアに行ってよかったなぁ」と、今しみじみ思えるのは
旅の途中で、ささいな「日常」に触れたからだと思う。



text by 栗本美可子

マイ・タイワン・ストーリーズ

2012年10月22日

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マンゴーをふんだんに使った氷菓が名物で、
とくに年配の世代には親日派が多く、
女の子が元気でかわいい(注1)──
実際に訪れるまで、私のなかの「台湾」は、
誰かの言葉の切れ端を
書き写したものでしかありませんでした。

けれども、数日の滞在とはいえ
自らの足で(ずいぶんタクシーのお世話になりましたが)
彼の地を踏みしめてきたいま、
私には自分の言葉で留めておきたい「台湾」があります。

思わず目を細めた風景や
口にした料理、
そして微笑んでくれたひとの表情が
心に沁みとおったからです。


とりわけ、
ジェスチャーだけで差し出した日本へのポストカードに
切手を貼ってもらった郵便局でのひとこまは、
忘れがたい“冒険”の記憶です。

「異国の地で郵便を出す」という、
言葉にしてしまえばたったそれだけのできごとですが…

雨宿りした軒先の向こうが、
示し合わせたかのように郵便局だったことと、
とりあえず列の後ろに並んだ私に
整理券を取って手渡してくれた先客のおじさんの存在が、
10元の切手をぺたっと貼ってもらった瞬間を
特別なものにしています。


百聞は一見に如かず──

いままでこれを、
耳で「聞く」ことで得られる情報と
目で「見る」ことで得られる情報の多寡(あるいは精度)を
比較したものだとばかり思っていました。

しかしこのことわざの核心は、
対象に「自ら触れよ」という点にあるのだろう
と、今は思います。

社史の執筆に際しては、
膨大な一次資料を受領し、またそれでも足りなければ、
当事者の方から直接お話しを伺います。

企業の歴史を活字として留めるうえで、
記述する情報の「正確性」を期すのは当然のことですが、
必要となる情報に自ら触れることによって、
理解の向上はもとより、対象への共感が、またときには愛着といった感情までも
湧き上がってくるのが面白いところです。
(社史の原稿で、書き手の共感や愛着を表現することはありませんが、
執筆を進める上での強力なモチベーションとなります。)


何かを深く知ろうとするなら、
とにかく自ら触れること。
それを抜きにして、何事かを語ろうとすることがいかに野暮なことか。
日常会話ではあまり使うことのないことわざを
つぶやきながら、肝に銘じます。

*注1:
自身の著作や独自に運営するウェブサイトで
台湾の魅力を発信する染色家・兼フォトグラファー青木由香さんの
軽妙な筆致がさえる『好好台湾』より。
実際のところ…たしかに!!でした。  


sora

個性

2012年10月17日

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「タクシー」という乗り物は、意外に個性がない。
たいていはラジオ(地方ではNHK第1放送が多い)が流れ、
運転手の“話術”も似たり寄ったりだ。

このステレオタイプ的な傾向は、
中国や香港、シンガポールでも基本変わらなかった。
ところが、台湾では少々違っていた。

ハンドル・アクセル・ブレーキをはじめ、
車内の至るところに、
彩鮮やかなビーズの装飾を施している計程車。
なかには、キティちゃんも。
「噢、很漂亮!」

フロントガラス前のスペースに、
ガラス細工のカエルとサングラスを
大切そうに、お洒落に飾ってある計程車。
「噢、很奇怪!」

自分で編集した音楽CDなのか、
あるいは有線放送なのか、
イタリアンオペラが心地良く流れ続ける計程車。
「噢、很好听!」

ただ、無線タクシーに乗った時だけは閉口した。
目的地まで距離があったうえ、
客が日本人だし、暇だったのであろう。
無線で友だちを呼び出して、
プライベートな会話を
大声で延々と続けるのである。
「噢、吵死了!」

Taka

2012年10月15日

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人の心に“落ちる”仕事を
いつもめざしているわけですが
そのための絶対条件のひとつが
「ていねいであること」だと思っています。

届ける相手の気持ちをひたすら想像して、
ほとんど祈るような気持ちでつくるものだけが、届く。

こういう仕事の
具体的なイメージ(目に見える像)を
台北のレストランで見つけました。

ここの料理はみんなおいしくて
単純に味でいえば
甲乙つけがたいものはたくさんあるけれど、
「まいったな」と思ったのはこれだった。

それで、帰ってきてからいつも思う。

(このスープを作ったシェフが)
豆を莢からていねいにはずす時のような、
美しい緑色を保つ塩加減を調整する時のような、
口のなかで弾ける食感をイメージして火を通す時のような、

そんな「豆のスープ的な仕事」をしているか、と。

おおげさかな。。。

まぁ、ものすごくおいしかった、ということです。

Asa.s


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